数秘術では、生年月日の数を一桁になるまで足し算して、運命数を出します。
その場合、数秘術で使う数字は基本、「1」から「9」までの9種類。0は除きます。
なぜ、0は除くのでしょうか?
「0は数字ではない……というのか!」
0ファンの方々からの悲鳴が聞こえてきそうです。
じつは、0という数字は古代、中世ヨーロッパでは忌み嫌われてきました。
ヨーロッパの合理的な思想と、0の概念が合わなかったと考えられています。
たとえば、ヨーロッパにおける思想の礎となる古代ギリシャのアリストテレスも、0という概念に不信を抱いていました。アリストテレスは「自然は真空を嫌う」と宣言し、空間は必ず何らかの物質が充満しているとして真空、つまり「無」の存在を認めませんでした。そのため、「0=無、空虚」ということに嫌悪を感じていたのです。
その風潮が迷信と結びつき、ヨーロッパでは中世まで「無」や「無限」という概念は、キリスト教への冒涜と見なされ、悪魔の数字と嫌われ、迫害されていたのです。
可哀そうな0を、最初に定義したのは7世紀のインドの数学者・ブラーマグプタ(それまで、0の概念はありました)
0の発見は、東洋思想によるもので、「ないものがある」とう発想は、「色即是空」の考えを持つ日本でも受け入れやすいはずです。
数秘術が確立されたのは、20世紀に入ってからなので、欧米でも0を忌み嫌う状況ではありませんでした。
では、なぜ0が入っていないのか?(何度もすみません)
数秘術で0がないのは、数字という概念ではなく、無限をあらわすために、取り入れられていない……ということのようです。
ちなみに、
「どんな数も0で割ることはできません」
6÷0=?……の答えがないのは、
0×?=6にならないからです。つまり、「0にどんな数をかけても0になるから」
という数学の基本でもわかる通り、
ゼロは、1~9とは桁違いに影響力(パワー)がありすぎるため、数秘術には入れられていない……というのが結論だと思います。